第10回放送分 毎日の牛乳でロコモの予防・改善
第10回放送分「毎日の牛乳でロコモの予防・改善」

シニアにとっての新しい習慣病といわれる「ロコモ」とは

「ロコモ」は正式には「ロコモティブシンドローム」といいます。日本語にすると、「運動器症候群」です。
 年齢を重ねていくと共に、人間の体と行動を支える骨や筋肉、関節などの運動器にさまざまな障害が起こり、立ち上がる・歩くなどの移動機能が低下し、将来、要介護に至る可能性が高い状態のことを指します。実際に要介護や要支援になった人の2割以上は、運動器の骨折や転倒、関節疾患などの運動器の障害が主な原因となっています。(平成25年国民生活基礎調査より)

骨粗しょう症は
「ロコモ」の主な原因のひとつ

 ロコモの主な原因は、変形性のひざ関節症や腰椎症、そして骨粗しょう症といわれています。これらの疾患を抱える人は、40歳以上で全国に4,700万人もいるといわれています。加齢とともに骨量が減り、骨折リスクを高める骨粗しょう症は、ロコモの状態を引き起こす代表的な運動疾患です。特に閉経後の女性は、骨を丈夫に保つ女性ホルモンの分泌低下から、骨量が急激に減少しやすくなります。

図版:加齢により骨量の変化

牛乳コップ1杯を足してカルシウム補充を!

 骨粗しょう症の予防といえば、カルシウムです。牛乳・乳製品は骨の材料になるカルシウムを豊富に含む食品のひとつです。
 また、牛乳・乳製品の摂取量が骨量に反映されることが各種の調査でも分かっています。2005〜2008年に実施された全国骨密度調査では、牛乳摂取量の増加に比例して、骨量も多くなるという結果が出ています。
 更に、厚生労働省科学研究では、牛乳・乳製品の摂取を増やすと、中高年期女性の閉経後の骨量の減少が抑制されるとの検証結果も報告されています。
 牛乳・乳製品には、筋肉の材料になるたんぱく質も豊富に含まれています。今の生活に牛乳コップ1杯を足して、カルシウムの補充をし、ロコモにならない体づくりを目指しましょう。