第一回放送分「延ばそう!健康寿命 増やそう!牛乳・乳製品」
第一回放送分「延ばそう!健康寿命 増やそう!牛乳・乳製品」

目標は「健康寿命を延ばすこと

日本人の平均寿命は世界トップクラスにあるものの、その中には要介護や寝たきりの状態で晩年を過ごす人も多く含まれています。単なる寿命の長さではなく、元気で自立して生活できる期間の「健康寿命」を延ばすことが、少子高齢社会を生きるシニア世代の大きな目標になっているのです。最新の平均寿命と健康寿命の差は表の通り。男性は平均9年、女性は12年以上も、介護が必要な状態で過ごしていることが分かります。

  (A)平均寿命 (A)平均寿命 (A)と(B)の差
男性 80.21歳 71.19歳 9.02歳
女性 86.61歳 74.21歳 12.40歳

(厚生労働省 2013年簡易生命表・国民生活基礎調査から)

シニア世代の元気と健康は、バランスよい食生活から

健康寿命を延ばすカギとなるのが、バランスよい食生活。国の食生活指針では、「主食・主菜・副菜をバランスよく食べる」「食塩や脂肪を控えめにする」「野菜・果物、牛乳・乳製品をとる」などの10項目を目標に挙げています。また、「食事バランスガイド」では、主にカルシウムの供給源として牛乳・乳製品を毎日の食生活に取り入れるよう推奨しています。

食生活指針10項目食事バランスガイド

シニア期の食生活の問題点としては、「エネルギーの摂取過剰(肥満やメタボなどの生活習慣病の原因)と「低栄養」が指摘されており、最近はむしろ「低栄養」の方がクローズアップされていることです。加齢に伴う食の細さ、単調な食事、摂食機能の衰えなどが招く低栄養は、体力や免疫力を低下させ、老化のスピードを早め、要介護のリスクも高めるといわれています。そのまま飲めて(摂取しやすい)、栄養バランスの調整に役立つ牛乳は、シニアの健康づくりに積極的に取り入れたい食品といえるのです。

シニア世代は、牛乳・乳製品が足りない!

では、実際にシニア世代はどれくらい牛乳・乳製品をとっているのでしょうか。平成24年国民健康・栄養調査によると、60〜69歳の1人1日あたり摂取量は約103g、70歳以上は約118gで、牛乳換算でコップ半分程度です。その影響で、骨粗しょう症などの予防に大切なカルシウムの摂取量も、大きく不足しています。

平成24年国民健康・栄養調査報告より»

  男性 女性
カルシウムの食事摂取基準
(日本人の食事摂取基準2015年版)
60歳以上/700mg 60歳以上/650mg
カルシウムの1人1日あたり摂取量
(平成24年国民健康・栄養調査)
60〜69歳/539mg
70歳以上/556mg
60〜69歳/532mg
70歳以上/516mg

普段の食生活にコップ1杯程度の牛乳を足すことで、1日に必要なカルシウム量を充足させることができます。また、最近の研究で、牛乳・乳製品の摂取量が多い人には、メタボや高血圧などの生活習慣病が少ないことも明らかになっています。それら牛乳の機能性(三次機能)については、今後の番組で医師の話も交えて紹介します。

牛乳は運動ともベストマッチ

シニア期の健康づくりで、食生活と両輪を成すのが運動です。ウォーキングやボウリングなどの運動後に、たんぱく質の豊富な牛乳を飲むと、骨や筋肉が丈夫になるといわれています。 牛乳摂取と運動の上手な組み合わせ方については、今後の番組でスポーツの専門家の話も交えて紹介します。