厚岸チーズ工房なんくる

自分のために作ったチーズを
みんなにも食べてほしいという思い

　石澤牧場は、放牧酪農を基本とし、化学肥料を使わず、濃厚飼料を最小限に抑え、土、草、牛の関係・循環を重視している。なんくるは、酪農の仲間と立ち上げたチーズ工房。「私はチーズが好きだったので、自分の牛乳で作ったおいしいチーズが食べたくて」と、自宅の台所から始まった石澤さんのチーズ作りは、フランスでの1カ月間のチーズ研修を経て本格的にスタートした。
　工房では、放牧牛の出してくれる牛乳、草だけを食べる牛の力をそのまま借りたチーズ作りを大切にしており、現在のラインナップは、セミハードタイプの「霞（かすみ）」、カチョカバロ、ストリングの3種類。ハードタイプの「海霧（かいむ）」は一時休止しているが、今後また生産する予定とのことだ。どのチーズにも、「食べてみんなが幸せになってくれれば、それが一番です」という石澤さんの思いが込められている。