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ナチュラルチーズ エッセイ 林美香子

林 美香子さん

【プロフィール】
北海道大学農学部卒業。札幌テレビ放送アナウンサーを経てキャスターとして独立。「食と農」をテーマとした執筆や講演などで活躍する一方、博士(工学)を取得。慶應義塾大学大学院SDM研究科特任教授。北海道大学大学院農学研究院客員教授。著書に「農村へ出かけよう」(寿郎社)、「農業・農村で幸せになろうよ」(安曇出版)、「農村で楽しもう」(安曇出版)など。札幌在住。

Natural Cheese Essay

北海道でチーズツーリズムをしてみませんか? 「チーズが結ぶ農都共生」

農学部を卒業後、放送局のアナウンサーとしてさまざまなジャンルの番組を担当しましたが、一番興味を感じてきたのは「食と農」の分野でした。以降、フリーのキャスター、大学でのゼミ指導など、さまざまな活動を行っていますが、自身のテーマとして持ち続けているのが「食を生み出す農村と都市との豊かな循環=農都共生」です。今日の成熟社会の中で、農村と都市との深い交流こそ、双方に活力をもたらす地域再生のキーワードであると考えます。

フランスは、ワインやチーズなど世界的なブランドを多く生み出している農業国です。地域の特産物を貴重に扱い大切にする精神が広く行き渡り、「原産地呼称制度(AOC)」を設けるなどして質の高い農産物を国を挙げて応援しています。人々は余暇には美味しいものの産地に赴き、農家民宿や農家レストランなど、家族で農村を満喫します。農家の人々が作る産物を、都会に暮らす人々が理解を深め、ファンとなって応援し、買い支え、食べ支える。その機会が豊富にあることで、食への知識や意識が高まり豊かな食文化が醸成されていきます。フランスが農業の先進国と呼ばれる所以が、ここにあると思います。

グリーンツーリズムが紹介されて久しい日本ですが、まだ本格的な習慣に至っているとは思えません。しかし周囲からは「もっと農村に出かけたい」「農村で楽しみたい」「そのための情報がもっと欲しい」という声もよく耳にします。デパートなどの北海道ミルク&ナチュラルチーズフェアはいつも大盛況と聞きますが、チーズは賞味期限や熟成期間などから取扱いが難しいとされ、北海道内でも豊富に道産チーズを取り扱う場所は限られています。そこで「チーズツーリズム」として、北海道ナチュラルチーズの故郷へ出かけてみてはいかが、という提案です。

その地ならではの食は、旅行の大きな楽しみです。最近では食そのものを中心に、旅行プランを組む人も。北海道内でもオーベルジュ形式のレストランや個性的な農園レストランが各地にあり、地元産のチーズや野菜などをふんだんに使ったメニューを味わえるようになってきました。あまり時間を持てなければ、各地のチーズ工房をスタンプラリーのように巡るドライブも楽しい計画です。地元の食材を生かして焼き上げるパン工房も各地にあり、チーズとパンとの組み合わせを楽しむことができます。スィーツとチーズ、そしてワインとチーズなど「チーズツーリズム」のテーマづくりは多彩にあります。「ナチュラルチーズ」こそ、農村と都市の共生を深める最適な食べ物であると考えています。