第九回放送分「毎日の牛乳でメタボの予防・改善」
心筋梗塞や脳梗塞などを起こすリスクを高めるメタボ
メタボは、おなか周りの内臓脂肪が過剰に蓄積し、高血圧、高血糖、脂質異常の2つ以上を併せ持った状態を指します。
内臓脂肪が蓄積すると、血圧値・血糖値・中性脂肪値などを上昇させる物質が多く分泌され、逆に健康によい働きをする物質、例えば血管を修復する、糖代謝を改善する分泌が減ってしまいます。
その結果、高血圧、糖尿病、脂質異常症を併発しやすくなり、動脈硬化も進んで心筋梗塞や脳梗塞などを起こすリスクが飛躍的に高くなってしまうのです。
<メタボの診断基準>
【必須項目】胸囲(へそ周り)/男性85cm以上、女性90cm以上
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【選択項目】血清脂質・血圧・血統の2つ以上が基準値を超えている
メタボの予防・改善には、まず身体の活動量を増やすことが大切
厚生労働省では、今より1日10分多く体を動かすことを目標にしようと明示しています。特に65歳以上の方は、毎日40分程度の家事や散歩、徒歩での買い物などで意識的に体を動かすようにしてください。
牛乳をよく飲む人には、メタボが少ない!
最近の研究で、牛乳・乳製品を最もよく摂取するグループは、最も摂取しないグループに比べて、メタボになっている人の割合が、女性で4割、男性でも2割も低いという結果が出ました。更に、女性の場合は、肥満指数のBMIや中性脂肪値が低くなる傾向も認められました。
そのメカニズムとして、牛乳・乳製品がエネルギー消費量の増加に役立つ効果がある、豊富なカルシウムが脂肪分解を促進する、等の仮説が立てられています。
また、一般的な日本人が1日の食事で摂取するコレステロールの量は300~500mgです。しかし、牛乳コップ1杯(200ml)に含まれるコレステロールの量はわずか25mg。牛乳自体が、コレステロール値を上昇させる主な原因になることは考えにくいといえます。