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チーズフロンティア  ・インタビュー

ナチュラルチーズは地域そのもの。「ご当地」を磨いていく大切さ。

 横市フロマージュ舎の代表・横市英夫さん(1949年生まれ)は、芦別の畑作農家の出身。自身は牛を飼う酪農にあこがれ、専門機関で農業を学んだ後、1頭の牛から牧場をスタートさせ、10年後には約150頭の規模にまで拡大。さらに次の展開を模索したとき、横市さんが選択したのは、牧場を大きくすることではなく、自ら搾った生乳でおいしいチーズをつくる家族規模のチーズ工房の設立だった。
 「おいしいものを作って、家族に喜んでもらいたい。それが豊かさや生き方の充実感につながると信じ、チーズづくりを始めました。また当時、富良野に移住してこられた脚本家の倉本聰さんと出会い、その考え方に共感したことも、当工房の根底にある“身の丈に合ったチーズづくり”という礎となっています」
 周りに先生も教科書もなく、スタートはまったくの手探り状態。辞書を片手に外国語の技術書に取り組み、図や写真を読み解き、ときには想像力を働かせ、横市チーズを確立していった。今日、その名は広く知られるところだが、工房開設時からの「安全・安心、我が家で食べている乳製品を全国の家族に」というモットーは変わっていない。
 近年では、JICA(国際協力機構)から声が掛かれば海外に出向いて乳製品や酪農に関する技術を伝えるなど、国際協力にも尽力する横市さん。そんな経験からも特に大切だと実感しているのが、ご当地(地元)の味と技術を磨き高めていくこと。
 「各地のナチュラルチーズは、地域そのもの。そこには風土や暮らし、歴史や産業すべてがつまっています。それらを感じ、地域の中でより輝きのあるチーズとは何かを考えていけば、もっと愛され、もっと必要とされる魅力的なチーズが生まれてくると思います。常にその姿勢で開発・製造を続けていきたいです」と横市さんは熱く語る。